沼津から、静岡、東海、全国、そして世界へとダイヤモンドのように輝きを増していく挑戦者を応援し続けるドキュメンタリー記事『ミライダイヤモン(通称:ミラモン)』

今回ご紹介するのは、門池中学校出身、沼津商業高校3年生の鈴木琥珀(すずきこはく)選手です。
琥珀②
琥珀選手は10月に行われる第77回国民体育大会(いちごー会とちぎ国体)のウエイトリフティング競技81kg級に、静岡県代表として出場します。

ウエイトリフティングを本格的に始めたのは高校3年生になってから。高校3年間は野球部に在籍。3年生ではキャプテンを務め、夏の県大会3回戦進出を果たし、今年7月に引退。

ウエイトリフティングをやるきっかけになったのは2年生の冬。筋力強化のために、沼商野球部は外部トレーナーによるトレーニングを導入。そのトレーナーに素質を見出されたそう。

7月に行われたウエイトリフティングの静岡県国体予選会に出場し、みごとに優勝。静岡県代表として国民体育大会の出場権を勝ち取ったのです。
琥珀重量挙げ②

そんな、鈴木琥珀選手にお話しを伺ってきました。
琥珀①

小さい時はどういう子どもだった?

「身体を動かすのが好きで、わりと学校やクラスでも目立っていた方だと思います」

父親が『王道流空手道佐藤塾静岡沼津支部』を運営、生まれた時から道場で遊び、気が付いたら胴着をきていたそう。その影響もあってか、小さい頃からスポーツ万能だった。

空手を本格的に始めたのは小学校1年生の頃。沼津では敵なし、中学2年生の時には全国大会で3位に輝く。
琥珀選手

野球を始めたきっかけは?

「中学校で野球部に入りたくて、その前に少しでも野球の練習ができればいいなと思って、小学校6年生の時に沢田野球少年団に入団しました」

その時から、野球と空手の二刀流が始まった。空手だけを一生懸命やるという選択肢はなかったのか?と聞いてみた。

「ちゃんと中学校で仲間と部活を楽しみたかったんです」

「仲間と楽しみたい」「目立つ存在だった」という言葉から、きっと小学校の時からスポーツ万能でクラスの人気者だったんだろうなと想像出来る。

「野球は空手の練習になるし、空手は野球の練習になるんですよ」

琥珀選手にとっては、野球と空手で2倍の練習ができるという感覚だったのだろう。

「ぜひうちで野球をやらないか?」という声掛けを受けて、沼津商業高校に進学。
琥珀野球②

高校1年生の時にした大きな怪我

「1年生の秋、練習中に左膝前十字靭帯(じんたい)を断裂しました。断裂した後の手術は成功し10日間くらいで退院出来たのですが、術後、感染症にかかり、その後、入退院を繰り返し2回手術をしました」

結局、野球部の練習に復帰するのに8カ月の時間を要し、本格的に動けるようになったのは、2年生の秋だったそう。

ただ、その練習ができなかった期間に琥珀選手は多くのものを得た。

「3年生の時、野球部のキャプテンになりました」

「しっかり仲間のサポートをするという経験がきっとお前の糧になる」、野球部監督の言葉どおり、チーム練習に参加出来ない期間は、練習の準備からグランド整備、練習試合の審判、出来ることを進んでやった。監督や仲間からの厚い信頼を得た。

そして、今回、静岡代表になったウェイトリフティングの土台も怪我をしたから培われたものだ。

「今、出来ることをしようと思い、上半身のトレーニングを徹底的にやりました」

もうひとつ、高校卒業後は、理学療法士の勉強ができる学校に進学予定。

「苦しい時に理学療法士の先生に励まし支えてもらったので、次は僕が怪我をした人を支えたい。恩送りっていうんですかね」

転んでもただでは起きない。怪我をしたから見えた景色がたくさんあったという。

「ウエイトリフティングで国体出場を狙わないか?」と言われた時の気持ちは

「嬉しくて、はい!と即答しました。スポーツをやる中でやっぱり全国大会出場は特別ですよね。自分自身のいい経験になると思いました」

今までは空手と野球の二刀流だったが、ウエイトリフティングが加わり三刀流なった。
琥珀重量挙げ①

「国体は自分のベストをしっかり出したいです」


常に高見を狙う琥珀選手らしく、全国の強者たちと競うことをとても楽しみにしている。きっとこの経験が、またひとまわりもふたまわりも琥珀選手を大きく強くするのだろう。


空手・野球・ウエイトリフティング、試合に向かう時の気持ちは違う?

空手は対人競技、野球は団体競技、ウエイトリフティングは個人競技、それぞれ違う競技特性を持つので、そんな質問をしてみた。

「特に気持ちの変化はないです。どの競技も勝ちにいく!ただそれだけです」

周りがどうのこうのではない、自分の力を100%出し切り勝ちにいく。琥珀選手の真っすぐさが伝わってくる。

将来の夢は?

「格闘技で世界チャンピオンになることです」

憧れている選手は総合格闘家の那須川天心選手。圧倒的に強く、下向きに努力しているところが好きなんだそう。

「大晦日のRIZINに出場します!それが父親と僕の夢です」

「僕の好きなことをいつもやらせてくれて、いつもサポートしてくれる両親に、結果を出して喜んでもらいたいです」
琥珀選手③
琥珀という名前はお父さんが名付けたそう。「インスピレーションで」と笑うが、琥珀選手は「特別感があって気に入っています」と、スター性のある名前。その名前が色んなところから聞ける日が楽しみ。

大事にしている言葉は?

「ここぞで日頃がでる」

中学校の野球部顧問の先生の言葉。取材の中で、何度か琥珀選手の口から「努力」という言葉が出てきた。急に野球や空手が上手くなったり、強くなったりするわけではない。結局は積み重ねでしかない。ウエイトリフティングも。そのことを琥珀選手は体感しているんだなと思った。

趣味は?

「体作り」「筋トレ」「ランニング」と笑う。

もう習慣化されていて、体を動かさないと気持ち悪いのだとか。
琥珀空手③

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話を伺い、琥珀選手の中心にあるのは、小さい時から培った「王道流空手道佐藤塾」の精神なのかなと思いました。「王道の道に近道なし 行不由経」、なにごとにも近道はない。そこに軸があるから、困難なことが起きても、立ち向かえる心があるのだなと。

空手、野球、ウエイトリフティング、スポーツで分類すると全く違いますが、琥珀選手の中では、すべてが自分を創る要素で、すべてが繋がっているのだなと感じました。「強くなりたい」「自分の限界を超えていきたい」、そのためには色々なことにチャレンジしていく。今回のウエイトリフティングへの挑戦もそのひとつ。そのひとつにすぎないのだなと思います。

10月に行われてる栃木国体の琥珀選手の活躍ももちろん楽しみにしています。

でも、その先にある「総合格闘技で世界チャンピオン」という夢に向かって、真っすぐに突き進む琥珀選手をぬまスポでは、引き続き応援していきたいです!!!頑張れ琥珀選手!!!


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